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2014年09月17日

神戸 その男、荒天につき (9/13)

「なに?あのポンコツ??」

「ただの天パじゃね??」

「なんだ、ただの天パか」

・・・

小生は知っている。

彼を見くびってはいけない。


その男、荒天につき。





9/7(日)

この日も沖では青物っぽいのがボイルしてたりサゴシが跳んでたり、

たまに近くでベイトが追われてたりでイイ雰囲気だった。

一年近く同じポイントに通っているが、ここ最近は特に海の雰囲気がイイ。

「10000回だめでへとへとになっても 10001回目は何か変わるかもしれない」

もあいさんの最近の口癖だ。

確かに、何度でも何度でもキャスト出来る雰囲気だった。

神戸 その男、荒天につき (9/13)

完全に日が昇ってからも、諦めずに投げ続けてたらツバスが釣れた。

まぁ、小さいけど小生にしては上出来だ。

『帰れ!カスがっ!!』と優しくリリースしといた。



9/9(火)

もあいさんが代休との事だったので、小生は有休を取った。

代休と有休のドリームマッチだ。

・・・

神様はちゃんと見てたね。

見事にサボり有休の完敗だった。

めっちゃナブラが出るので、せっせとトップを投げ続けていたが

どうやら全てサゴシだったみたいだ。

もあいさんは、しっかりサゴシをキャッチされていた。

サゴ師の称号は伊達じゃないと思った。

釣れなかったけど、この日も海の雰囲気は良かった。

週末の釣行が待ち遠しかった。



9/12(金)

仕事を終え、スマホを確認するとLINEが入っていた。

[ 明日釣りに行きませんか? ]

荒ぶる天パさんからだった。


荒天さんから連絡が来たのはいつ以来だろう・・・

冬の間に連絡があって以来、その後は音沙汰なしだった。

小生は荒天さんの事を心から心配していたのだが、

まさか今になって「明日、お茶しない??」みたいな軽い感じで

釣りに誘われるとは思ってもみなかった。

もっとこう・・・あるだろ。大人っぽい挨拶が。

[ お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか ]とかさぁ。


まぁ何はともあれ、久しぶりの連絡に内心ホッとした。

『生きてやがったのか・・・』と。


しかし、荒天さんと一緒に釣り行くだなんてまっぴら御免だ。

何故なら荒天さんは行く先々で釣り場から魚を消してしまうからだ。

小生は神だとか呪いだとか超常現象だとかの類は信じない方なのだが、

彼の力は人間の範疇をゆうに超えており信じざるを得ない。

実際に彼のせいで何度も痛い目に合っている。

彼は本物だ。間違いない。


とはいえ、小生もわりかし大人の階段を登っちゃってる社会人だし

無下に断るわけにもいかない。

なので、荒天さんのお誘いを角が立たないように丁重にお断りする事にした。


他のポイントに行ってもらおうと思い、小生のイチ押しポイントを紹介する事にした。

小生[ 今はあそこが激熱です。魚影が半端ないらしいですよ、海遊館 ]

荒天[ じゃあ、○○でいいですか? ]

・・・

小ボケを無視された。

ちょっと傷付いた。

そして、小生の通っているポイントに

荒天さんが来てしまうという最悪の事態に陥ってしまった。



9/13(土)

ポイントに着くと、そこには絵に描いたようなポンコツが立っていた。

薄暗かったので顔を確認出来なかったが、小生はすぐに彼だと分かった。

「ここだよ~!ポンコツここに居るよ~!!」ってオーラが出てた。

オーラというかポンコツが出てた。

出過ぎてちょっと垂れてた。

ポンコツが。



小生は待ち合わせ時間より若干早く到着したのだが、

彼は更に早い時間に来ていたようだ。

おそらく長らく釣りを休んでいた彼はこの日が来るのを心待ちにし、

朝からヤル気がみなぎっていたのであろう。

こちらサイドとしてはいい迷惑だ。


小生と時を同じくして、もあいさんも来られた。

彼を見るなり睨みながら舌打ちをされていた。

まぁ、妥当な反応だったと思う。


なぜなら、彼が期待に反してサラサラロン毛になっていなかったからだ。

我々は彼が釣りを休んでいる間に天パからサラサラロン毛になっているもんだと思ってた。

柏木家の長男として頑張っているもんだと思ってた。

クリーニング店を経営しながら、

幾多の苦難を乗り越えつつ妹弟達と楽しく暮らしているもんだと思ってた。

ところが、蓋を開けてみたら相変わらずのクルクルっるのクソ天パ。

あんちゃんの要素ひとつもねぇ。

ガッカリもいいとこだった。



準備をして釣り座に向かおうとすると、

彼が慌てた様子でキーレスのリモコンをピコピコ押し始めた。

ロックしたりアンロックしたりドアノブをガチャガチャしたり。

「いやぁ、鍵が掛かってるか不安なんですよねぇ」とか言いながら。


ロックさせてる状態でリモコン押したら鍵開いちゃうよね・・・

ドアノブをガチャガチャしてドア開かなかったら、

それって間違いなく鍵掛かってるよね・・・

『大丈夫かな?この人・・・』

彼の後姿を見ながら小生は不安に思った。


しかし、人の心配をよそに彼はピコピコガチャガチャし続けていた。


なんだろ?

これが【男は背中で語る】ってやつなのかな。

確かに彼の背中は語っていた。

あれっ?酔ってる??ってぐらい饒舌に。

ポンコツを熱く語ってた。



暫くピコピコガチャガチャして満足した荒天さんと共に3人で釣り座へと向かう。

釣り座に着いて、もあいさんは荒天さんと談笑されていた。

常日頃から荒天さんの事を気にかけておられた

もあいさんには積もる話があったのだろう。

小生はというと・・・特にない。

再会早々にポンコツっぷりを見せて頂いたので既にお腹いっぱいだ。


なので、エギングをやってみた。

小生はエギングタックルを持ってないのでシーバスタックル。

まぁ、厳密に言えばシーバスもやらないので小生の中では小型青物タックル。

4000XGのリールなのでスピーディーなイカの回収が可能だ。


キャストしてシャクシャクしてフォール。

キャストしてシャクシャクしてフォール。

暇だ・・・

未だにエギングが良くわからない。

エギをシャクって通りすがりのイカを刺して釣るって確率低くないかな?

エギング業界はもうちょっと効率のいい釣り方を研究した方がイイと思う。


エギングに飽きてきたので、ふとお二人の方を見てみた。

そこに見えたのは闇夜に浮かぶほのかな灯り。

二つの赤い灯りが時に強く光り、徐々に暗くなっていく。

まるで季節外れの蛍のようで感慨深いものがある。

秋の夜風に吹かれながら、小生もそっとタバコに火をつけた。

・・・

エギングって暇だね。

なんだろ?手持ち無沙汰っていうのかな??

スゲェぶさたっちゃうよね。

ロッドを持ってる右手はイイんだけど、左手がぶさたっちゃう。

隙あらば「あらっ、ご無沙汰~」とか言いいながら左手だけ井戸端会議に行っちゃいそうだ。


左手を見張りながら暫くぶさたってたら、フォール中にグイングイン引っ張られた。

神戸 その男、荒天につき (9/13)

今年初のアオリGET。

今まで釣ったことがない極小サイズだった。

クリームコロッケぐらいの大きさ。

しかし、小生は鬼畜なのでキープしてやった。

その後、もう一度だけアタリがあったけど乗せれず。




そして徐々に空が白み始め、迎えた朝マズメ。

3人で思い思いのルアーをキャスト。

・・・

・・・

・・・

なんだ?コレ??


最近のイイ雰囲気だった海の様子が嘘のように魚っ気ゼロ。

沖のボイルもサゴシジャンプも近くのベイトも何も無し。

『あれっ?今日って定休日だっけ??』

ってぐらい静かな海。

まぁ、表層に居ないって事は底の方だろうと思って

ジグを投げてみたけどエソすら釣れず。


完全に海が死んでいる。


『チッ!!あいつやってくれたな・・・』


もあいさんは、呆れた様子で苦笑いをしながら首をかしげていた。


こんなにも生命感の無い海は久しぶりだ。

この日をもって、魚類は絶滅したのかもしれない。


大丈夫?

あの人、ちゃんとルアー投げてる??

もしかしてルアーと間違えて生物兵器とか投げちゃったりしてない?

次第に魚がプカプカ浮いてきちゃったりしない??


彼の場合、極度のポンコツゆえに無いとは言い切れない。

「あれ?ルアーだと思ってたんですけど、よく見るとコレ生物兵器ですわ。ははははっ」

とか普通に言っちゃう。彼はそういう男だ。


彼が投げているものを確認してみた。


どうやら生物兵器は使っていなかったようだ。

生物兵器を使わずして、この生命感の無さ。

逆に生物兵器を使ってくれてた方が納得出来たかもしれない。


彼は「この状況に我関せず」と言わんばかりにルアーを投げていた。

小生は全く責任を感じている様子のない堂々とした彼の態度に圧倒され、

朝日に照らされた彼の姿に神々しいものすら感じた。



そんな時、不意に頭の中であの曲が流れた。

10000回だめでへとへとになっても 10001回目は・・・

小生はもう一度ロッドを手に取った。


もあいさん頑張ってるかな?

・・・

そこには、死んだボラのような目をしながらルアーを投げ続ける男の姿があった。

さすが諦めない男。


もあいさんに触発され小生も投げる、投げ続ける。

何投ぐらいした時だったかな。

・・・

心が折れた。

10000回だめだったら、たぶん10001回目もだめだ。

いくら探しても、ルアーを投げる理由が見つからない。



もあいさんはまだ頑張ってるかな?

・・・

そこには、スマホ片手に座り込む石像と化した男の姿があった。

諦めないことで有名なあの男がサジを投げていた。

わりかし大きめのサジをフルキャストしていた。


もあいさんが言った。

「あの人、9ヶ月間溜め込んでたものを一気にブチまけてくれましたね・・・」

彼を見つめるもあいさんの目は狂気に満ち溢れていた。


しかし、神憑り的な力を持った彼の前では我々はあまりにも無力だった。



帰る際、「やってくれましたね」と言ったら彼は笑っていた。

「いやいや、まだ実力の半分も出してないですよ」と言わんばかりに彼は笑っていた。

彼が本気を出すと、本当に世界中の魚類が絶滅するかもしれない。

彼の不気味な笑みを見て、小生の背筋は凍りついた。




あなたの釣り場にも現れるかもしれない

ポンコツ垂れ流しの天パアングラー。

もし見かけたら注意されたし。


その男、荒天につき。


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では(´・ω・)ノ






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Posted by onimayo salmon at 00:00│Comments(0)イカツバス
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